1.日本の安全保障のために防衛力を強化しようとすれば「日本は世界で唯一の平和憲法を守ってきたから、ずっと平和だった。」「戦後70年間戦争もせず、一人の戦死者も出さなかったのだから、このままで良い。」などという反論はいずれも事実誤認だ。
2.世界の188か国の憲法典のうち、158か国(84%)の憲法典に何らかの平和に関する条項設けられ、第9条の平和条項は、決して日本だけの特異なものでない。日本とそれらの国との大きな違いは兵役の義務規定を設け、自衛権の行使=軍隊の存在を一切否定していないことだ。憲法を変えることは単なる手段とは言えないくらい容易ではなく非常に大事なことだが、「とにかく憲法が変われば、すべて良くなる」ではなく「より良い国にするために憲法を変える」という考え方であるべきだ。一番大事なのは日本人が変わることだ。
3.個別的な自衛権はよくて集団的自衛権はよくないという人たちは「米国の戦争に巻き込まれる」という理屈だが、はたして英独仏豪加などの米同盟国は、いついかなる時でも米国の戦争に参加していない。自国の国益に資する場合だけ参加している。日本は国家の防衛を米国に頼りきっているほうが問題。恐るべき自己中心的かつアメリカに甘えた考え方では、憲法前文の「国際社会において、名誉ある地位を占めたいと思ふ」という願いは永遠に叶わないどころか、人として軽蔑の対象になるだけだ。
4.国家の存立が脅かされ、国民の生命などの権利が根底から覆される明白な危険があったとしても、これを排除するための自衛権を制限しなければならないという。いったい国の存立や国民の生命より大事なものとは何か。国家が危機的な事態に陥れば、あらゆる手段を用いて全力で事に取り組むのが当然だ。
5.安保法制にかかる馬鹿騒ぎを見て「安全や平和はタダで手に入る」と思い込み「いかにして国を守るか」ということを現実的な問題として考えられない事は驚きだ。政治や国防と無縁の人たちだけでなく、世論をリードするマスコミや国会議員の無責任な態度には怒りを通り越して呆れかえるほどだ。短い間とはいえ政権を担った民主党に至っては対案も出さず前向きな議論も行わずに、ひたすら反対し、挙句の果てには国会の外でデモに興じる始末、最後は国会内でプロレスまがいの乱闘騒ぎ。あの光景を見て日本の政治に絶望感を抱いた人は多かった。
6.国家の存立が脅かされ、国民の生命などの権利が根底から覆される明白な危険があったとしても、これを排除するための自衛権を制限しなければならないという。いったい国の存立や国民の生命より大事なものとは何か。国家が危機的な事態に陥れば、あらゆる手段を用いて全力で事に取り組むのが当然だ。