1.原子力規制委は事業者と対話し助言し、原発及び原子力利用施設の安全性を高め命を守るために互いに協力する立場にある。しかし、彼らは現場を無視し、見当外れの安全審査を行い、人命を脅かす結果さえ招いている。電力会社に不必要な負担を強いているだけでなく世界に誇る最先端の研究も停止させる。
2.九州電力は川内原発再稼働に漕ぎつけるまでに40万ページもの書類を作成した。40万pは厚さ10センチのファイル150冊で、高さ15メートル、5階建の建物に相当する。15メートルの書類の柱、4本分を作成して初めて、川内原発は規制委の要求を満たし得た。この書類を誰が目を通したか。
3.世界の注目を集める京大の先駆的研究、中性子を使った基礎研究と加速器駆動未臨界システムの研究の両方が規制委の壁の前で完全にストップしている。中性子活用研究のひとつが「ホウ素中性子捕捉療法」(BNCT)という癌治療である。京大原子炉実験所の宇根崎教授が語る。年50人を救ってきた。
4.京大の原子炉は出力5千KWと百Wだ。近大研究用原子炉は出力1ワット。これは豆電球と同じで空気で十分に冷却される。規制委は商業発電炉と同じ基準を京大にも近大にも規模の違いなど無視して当てはめた。地震津波、竜巻テロ、航空機の衝突、火災、活断層などの対処と、膨大な量の書類作成を要求した。
5.研究者・教授は過去2年間、規制委対応に追われ書類作りがメインの仕事となり、本来の研究は遅延している。学生たちも研究用原子炉の運転が停止で学べなくなった。近大は学生を韓国水原に送り、慶熙大学の試験研究炉で学ばせている。日本は韓国6大学の精鋭学生20名を毎年、京大に迎え教えていた。