妥協したら争いが拡大する
1.独裁政権あるいは独裁者が生き延びた歴史は存在していない。情報が遮断された状況で、それは内部に様々な矛盾が出てきて収まりがつかなくなるからだ。その矛盾を隠蔽する手段として、外に対しての揺さぶりや威嚇が使われる。つまり、外から脅威を受けているから内部で結束しろというものだ。
2.政権について1年たち、自分の能力では解決できない多くのことがあるが、自分への忠誠心を高める手段として核やミサイルで外敵に備えると言う図式だ。冷戦時代中国もこの方式をよく使っていた。これに対して、妥協したら元の黙阿弥で、断固として封じ込める以外には手はない。
3.平和主義者が戦争を誘発するという歴史的事実がある。ズデーテン地方に対する宥和策がヒトラーの戦線拡大を誘発した。ハーバード大学でこれを研究していたケネディーは後に大統領になって、キューバ危機に際して、ソ連に対して一歩も譲らずに危機を回避した。ヤクザに対しては絶対に譲歩するなと同じだ。一度でも謝ったり譲ったら負ける事になる。
4. 1994年6月、核開発疑惑により北朝鮮とアメリカとの間で一触即発の危機に陥った折、カーター氏はアメリカ大統領経験者として初めて訪朝し、北朝鮮の核開発を中止させた。この時の米国の妥協或いは譲歩が、その後、ならず者をつけあがらせて今日に至っている。三代目の孫にまで引き継がれている。独裁政権やならず者に譲ったら、彼らは必ず味を占めて攻め込んでくる。村山談話や河野談話は始末が悪いその典型的な例だ。
5.南シナ海における中国の基地づくりは、ヒットラーが行ったズデーテン地方への侵略と同じだ。これに対する英仏の宥和策がヒトラーの戦線拡大につながった。つまり、この程度なら、侵略しても大丈夫というメッセージを与えたことになる。次に、電撃的なポーランド侵攻となった。つまり、南シナ海や尖閣を甘く見ていたら、電撃的な沖縄侵攻もありえるのだ。