豊洲論争
1.『文藝春秋』4月号で石原慎太郎は築地市場の豊洲移転について、自身が批判の矢面に立たされている中で、小池知事(64)にも不作為の責任があり、豊洲行政の迷走は小池知事自身にあると厳しく批判した。その反論を小池が5月号で発表。文春の仕掛けで新旧都知事の誌面論争が勃発した。
2.小池「私がいわば負の遺産に対して何もせず、ただ豊洲移転を放置しているのだとお考えなのでしょう。そう思いたいのでしょう。しかし、不作為であるというご批判には明確に反論したい」。 移転先としての豊洲は都の総意としてあったと石原の主張について、小池はこう見解を述べた。
3.小池「そもそも私はこの都の総意に疑問を抱いている。豊洲ありきで、それを正当化する理屈が事後的に固められ、豊洲移転へと突っ走っていったのではないか」。石原は一貫して「豊洲は安全だ」と断言している。その上で、小池が安心と安全を混同していると指摘した。
4.小池「安全だけではなく、安心も必要だと決めた張本人は石原だ。豊洲の地下水を飲料水の環境基準以下にすると都民に約束し水質のモニタリング調査を設置した流れが何よりの証左だ。石原の『高いハードル』を改めて引き継ぎ、安心・安全を確保しようと、ステップを重ねてきた」。
5.石原と小池の論争を読み比べれば、分は石原に上がる事は明らかだ。何故ならば、豊洲移転とその時期は知事の独断で決めたわけではなく、都議会では全会一致で可決されている。これに対して、移転延期を独断で決めたのは小池だ。目的は五輪会場では負けて、その挽回に都民の注目を自分に向けるためだ。それしか理由はない。
6.盛り土、環境など当初は安全上問題があると言う理由で、小池は主張していたが、今では盛り土は消え、安全も問題ないと自ら言っているが、平仄が合わないと思って、安心も重要などと言い出した。安全基準は法律で決まっているが、安心基準など聞いた事がない。今では小池にとって、豊洲移転を決断することが選挙への早道だ。