ある女子大教授の つぶやき

日常の生活で気がついたことを随想風に綴ってみたいと思います。
<< 停滞する日本の科学技術研究 | main | 中国との付き合い方 >>
爆買いからの転進
1.東大や京大などへの進学をめざし、日本企業への就職を希望する中国人エリートが増えてきている。経済大国を自任するようになった中国人、なかでもエリートとされる人々がなぜ、日本を目指すのか。
2.「爆買いの中身」は大きな変貌を遂げている。彼らが望むものは、日本のモノやサービスだけでなく日本の高級温泉旅館でゆっくりお湯に浸かり、茶道や華道の手ほどきを受け、スキーやダイビングに興じ、浴衣を着て花火大会を見物し、歌舞伎を鑑賞するなどとなる。

3.経済的に豊かになったものの、中国ではまだ手に入らないものがあり、日本には中国には存在しないもの、魅力的なものが沢山ある。そこで体験型の観光にまで広がってきている。大学を出て一流企業などに勤務する人たちの間では、もっと深く日本にコミットしようとする新しい動きが始まっている。
4.彼らの興味は「日本の生活者となる」、日本人になるところにまで移行してきている。日本学生支援機構「留学生に関する調査」(2015年度)によると、在日中国人留学生数は約10万人、全体の45%を占めている。目指すは東大、京大、早慶で、進学予備校も日本に多数存在している。

5. 日清戦争後、1900年の義和団事件を切っ掛けとして清国の崩壊が始まり、孫文を初め多くの人が日本へ留学してきた。彼らは日本の文化を学ぶだけではなく、明治初期、日本が西欧から学んで独自の学問や学術用語を生み出してきたことをそのまま中国へ持ち帰った。自然科学だけではなく社会科学でも同じだ。専門語は殆ど日本語なのだ。
6.厚生労働省によると、15年末時点で在日中国人は約70万人。その一割は「技術・人文知識・国際業務」ビザ取得者で、「医療」「教育」「教授」ビザの取得者も増加している。日本の労働市場では雇用制度など世界標準ではないと評価もあるが、中国人から決してそうではない。

7.中国企業にはまだあまり導入されていないきめ細やかな研修制度や、世界各国に張りめぐらされた支社・営業所のNWなど、日本企業が戦後、長い年月をかけて築き上げてきた独自のシステムがある。日本企業で学びビジネスマンとなり国際的に活躍することが狙いだ。
8.決して「日本を乗っ取ろう」とか「日本の技術や情報を奪い去ろう」といった考えはない。純粋に日本に憧れ、日本で学び、日本で働き、自分の人生をもっと充実させたいと思っている。中国で日本のような「穏やかな日々の暮らし」を手に入れられるのは、まだ限られた一握りの人しかいない。

9.中国人エリートたちは、日本を「できすぎた国」、日本人の生活は「理想的」なのだ。日本人には信じられないが「日本こそ中国人にとっての楽園」という。厳しい中国社会の現実が隠されている。中島恵『中国人エリートは日本をめざす』。中島恵( なかじま・けい )  1967年、山梨県生まれ。
10.北京大学、香港中文大学に留学。新聞記者、フリー。著書に『中国人エリートは日本人をこう見る』、『中国人の誤解 日本人の誤解』(日経出版社)、『なぜ中国人は日本のトイレの虜になるのか?』(中公新書ラクレ)、『中国人エリートは日本をめざす なぜ東大は中国人だらけなのか?』(同)。

| - | 05:16 | comments(0) | trackbacks(0) | ↑TOP
スポンサーサイト
| - | 05:16 | - | - | ↑TOP
コメントする









この記事のトラックバックURL
http://iiaoki.jugem.jp/trackback/6700
トラックバック
SPONSORED LINKS
PROFILE
LINKS
CALENDAR
S M T W T F S
     12
3456789
10111213141516
17181920212223
24252627282930
<< September 2017 >>
SELECTED ENTRIES
CATEGORIES
ARCHIVES
新着コメント
新着トラックバック
MOBILE
qrcode