ある女子大教授の つぶやき

日常の生活で気がついたことを随想風に綴ってみたいと思います。
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防災科学技術研究所
防災技術研究

  東大の地震研究所が今回の災害に対して果たした業績について紹介した。次に、やり玉に挙げなければならないのは、独立行政法人の防災科学技術研究所である。この研究所は1959年(昭和34年)9月に5,000名を超える死者を生じた伊勢湾台風を契機として、1963年(昭和38年)4月に国立の機関として設立された。2001年(平成13年)4月に独立行政法人となった。

 
 

例によって、ホームページにある理事長の挨拶を見ると「我が国は、その地学的環境から、地震、津波、火山噴火、地すべり、風水害、雪氷災害など、自然災害の多い国です。とくに2011311日に発生した東北地方太平洋沖地震では、3万人に近い死者・行方不明者を生じるという、未曽有の大災害になってしまいました。自然災害による被害を軽減することは、我が国にとって最重要な政策課題のひとつであり、防災科学技術研究所は、災害に強い社会の実現を基本目標として、日夜、研究活動に努めております。」と冒頭で語られている。


   今回の災害で被害に遭われた方々は、わが国の防災研究のトップが述べるこの言葉に接して絶句する人が多いと思う。「未曾有の災害になってしまった事に対して、私もこの研究所も全く関係ありません」と語っている事と変わりはないであろう。それでは、何を目標として研究をしているのか、中期目標の中を見てみよう。


   役人の作文だから中味が見えにくいが、国民に対するサービス向上などの文字が見えるところで、挙げられている項目を列挙する。

1.防災科学技術の水準向上を目指した研究開発の推進:地震災害による被害軽減、耐震工学研究、火山災害による被害軽減、噴火予知と防災などの項目が見える。

2.災害に強い社会の実現に資する成果の普及及び成果の活用促進:防災行政への貢献、社会への情報発信。

3.防災科学技術の中核機関として積極的貢献を果たすための内外関係機関との連携協力。


  地震研究所と同様に、ここでも研究内容は研究者の自己満足のために行われているようで、自然災害に対しては、研究所の研究成果は無力であることを告白している。発生した自然災害に対して、津波の高さはどれくらいだったか、火山灰の影響はどの程度広がるかなどという被害を受けた国民にとっては、どうでもいいような研究しか行われないし、できないみたいだ。


   つくば市にある研究所だけでなく、全国に3か所研究センターを設立して、全部で
1000名もの人々が日夜、防災技術の研究に邁進している。これを支える予算は公表されていないが、推定年間300億円は下らないだろう。日本にはこれ以外にも、京都大学に宇治キャンパスに、防災研究所があり、40名の教授と、それ以下100名もの研究者たちが所属している。年間予算総額は推定で100億円ぐらいであろう。大災害が起きるたびに、多くの研究論文が作成されて、修士号や博士号の獲得に活用されることであろう。

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管理者の承認待ちコメントです。
| - | 2013/08/26 9:18 AM |

3月31日滋賀で開催されたシンポジウムに、貴殿が槍玉に挙げている防災科学技術研究所のメンバー(主任研究員の長坂俊成氏)も出ていました。
全ての官僚組織〔とりわけ政府関係の特殊法人〕は予算消化するだけで能動性もないどうしようもない組織だと思っていましたが、どうも防災科学技術研究所〔少なくとも長坂氏〕はその括りには入らないのかも…との認識を抱きました。

3/11直後からの他省庁とのやりとり(防災科学研究所からの協力申し出等を断るメールなど)の履歴を全て残しているそうです。行政学や組織論にとっての一次資料としておいしそうですが(守秘義務で無理でしょうが)。ちなみに岩波書店から4月に長坂氏は文献も出すようです。

作業仮説としての官僚制への不満は大事ですが、具体的な作動次元を個別具体的に選り分けて議論していかないと、粗削りになるのでは、と感じましたので、コメントしました。
| 白川 貴史 | 2012/04/03 12:12 PM |
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