|
2006.08.11 Friday 満州からの生還1941-46:文庫本による歴史物語(3)
昭和6年の柳条湖でのマッチポンプ以降、満州国建設のため、夢にあふれた人、国内で夢に敗れた人、一旗挙げようと思った人、国内で仕事の無くなった人など多くの日本人が時の政府の後援もあって、満州へ渡りました。昭和20年8月15日の敗戦を境にしてそれらの人々の運命が一転しました。日本への帰国のための惨禍が次の作品に記録文学として残されております。
1.宮尾登美子「朱夏」新潮文庫:開拓団の教師として赴任 2.なかにし礼「赤い月」上下、新潮文庫:映画化、TV化 3.藤原てい「流れる星は生きている」中公文庫:小説家、新田次郎の妻、新田次郎は気象庁の技官として新京へ赴任 4.藤原正彦「祖国とは国語」新潮文庫:藤原ていの次男、数学者、満州再訪問 5.安倍公房:「終りし道の標べに」、「けものたちは故郷をめざす」 敗戦の日、私は父親の関係で奉天(瀋陽)の満鉄の社宅にいました。よく聞こえないラジオでしたが、何か幼いながらも大変なことがおきているような感じで天皇の言葉を聞いたように記憶に残っています。 上記の記録文学にあるような悲惨な体験をしているわけではないが、多くの満州にいた人々は日本の陸軍に捨てられて、この世とは思われない地獄を経てきているのです。だから首相の言うように現在の平和と繁栄が戦争でなくなった人々のお陰という言葉が空虚に聞こえます。 |

