3800万円スパコン
どのような機械でも同じであるが、何にでも使える汎用のものは高価であるが、或る一つの目的のための装置はかなり安くできる。長崎大学工学部では国内最速のスーパーコンピューターを開発し、米国電気電子学会のゴードン・ベル賞を受賞したという。これはスパコン分野のノーベル賞といわれ、市販の画像処理装置(GPU)を使って安価に高速計算を実現したのが受賞理由という。
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次世代スパコンで世界一を目指すということで仕分け会議で焦点を当てられたばかりであるが、「高性能の計算機は重要だ」としながらも、巨費を投じた従来の開発方針について「素直にいいとは言えない。方向性が逆」と述べ、低価格化が可能との見方を長崎大学では示している。やはり戦艦大和の時代は終わったのであろう。
このスパコンはGPUを760個並列につなげたもので、1秒間に158兆回の計算ができ、国内最速の「地球シミュレータ2」の同122兆回を上回ったという。GPUを大量につなげられるプログラムの開発がポイントであり、これにより開発費用をあまり掛けないで完成できて、天体物理学などの複雑な計算での活用が見込まれる。
その他、クレイ社では家庭で使えるスパコンを発売している。メモリー48GBで、最大で96GBだ。重さ60Kg で、高さは44cm、奥行きが90cmもある。電力消費は1600Wだから、エアコンは必要だ。地球シミュレータを開発したNECでも月額使用料が1000万円でスパコンを貸し出している。性能にもよるがスパコンはいまや身の回りに存在している。
それよりも10万円規模の普通のパソコンでも、その70%はフルに使われてはいないのが現状であり、膨大な能力が余っているから、これを利用するグリッドコンピューティングが発達してきている。ネットワークを介して複数のコンピュータを結ぶことで仮想的に高性能コンピュータをつくり、利用者はそこから必要なだけ処理能力や記憶容量を取り出して使うシステムである。
*伊藤智義著「スーパーコンピュータを20万円で創る」 集英社新書 ¥714