ニュース収録(3月20日)
1.米株式市場は総崩れで、ダウ工業株30種平均は前週末比335ドル安に沈んだ。フェイスブックを巡る個人情報の不正利用問題を起点に「ビッグ・データ」ビジネス全体へ波紋が広がった。IT(情報技術)企業の成長に依存してきた米株市場にとって問題は根深い。
2.プーチンと習近平がときを同じくして長期にわたる強権支配を固めた。ともに共産大国の復興を掲げて欧米中心の秩序に挑み、地政学的な野心丸出しだ。国際秩序の守り神であるはずのトランプも「米国第一」を押し通す。自国優先主義が共振し世界に混沌を広げる。民主主義と自由経済は試練を迎えた。
3.短い滑走で離陸し垂直着陸できるステルス戦闘機「F35B」導入を、年末に改定する防衛大綱や中期防衛力整備計画に盛り込む。護衛艦「いずも」をF35Bなどの戦闘機が離着陸できるよう、事実上の空母として改修する。離島防衛強化だが「専守防衛」にも合致する。
4.中堅上場企業が資本を効率的に使って稼ぐ力を高めている。売上高100億円以下の上場企業約1000社の直近3年間平均の自己資本利益率(ROE)を高めた。大きな設備を持たず、知恵と工夫で市場を切り開き、高収益を実現している。ROEは自己資本に対する純利益の比率で、10%越が目標だ。
5.Uber社の自動運転車がアリゾナ州で歩行者をはね、死亡させる事故が起きた。自動運転が歩行者の死亡につながった事故は初めてで、ペンシルベニア州ピッツバーグなど他地域を含む北米4都市すべての公道での自動運転車の走行試験をいったん中断した。
6.米国ではすでに1000台以上の自動運転車が実験走行中で、台数は急速に増えている。事故が起きたアリゾナ州は規制緩和が最も進み、無人運転の実験も始まっている。自動運転開発の世界的な中心地カリフォルニア州では4月に無人運転が解禁される予定だ。
7.日米欧と新興国による20カ国・地域(G20)財務相・中央銀行総裁会議がブエノスアイレスで開幕した。トランプによる輸入制限など貿易問題が主要議題だ。堅調な世界経済の重荷となる恐れがあるだけに、保護主義的な政策の調整が難しい。日本時間21日午前に共同声明を採択して閉幕する。