財務省大揺れで思うこと
1.公文書の書き換えという財務官僚の欺瞞が問題となっている。それよりももっと国力に影響する欺瞞は、30年も前から使われている財政破綻論だ。財務省のHPにもある「国家財政を家計にたとえたら」という漫画入りのコラムだ。国と家の会計を比較することが、そもそも経済を理解しない人のすることだ。
2.政府債務である国債を保有しているのは主に金融機関だが、その原資は預金だから、国民は銀行経由で国債という資産を保有して運用していることになる。つまり、経済は貸し借りで成り立つ。その国民の資産を借金だと決めつける財務官僚の詐欺論法だ。
3.政府と家計の決定的な違いは、政府は財政支出してGDP、つまり国民の総所得を増やして、収入(税収)を増やせるが、家計には徴税権はない。政府が借金を減らすため支出削減し、増税で家計から富を吸い上げたら経済は停滞し、国民は疲弊する。その結果が20年間続くデフレだ。
4.家計が豊かになるには資産の借り手が必要だ。主な借り手は政府と企業だが、いま企業は投資を控え貯蓄に励むから頼りは政府だけだ。その政府も借金返済に傾いたら家計は崩壊する。財務省は更に「国民一人当たり900万円の借金がある」とプレス発表する。これに同調する御用学者、評論家も多い。
5.1998年(平成10年)に発覚した大蔵省接待汚職事件では銀行のMOF担とよばれる行員が旧大蔵官僚の接待に歌舞伎町のしゃぶしゃぶ店「ローラン」を使っていたことが暴露された。この事件で大蔵省は解体された。内閣が改竄を指示することなどありえない。全て詐欺師と官僚が仕組んだことだ。今回も日本国を救済するために抜本的解体論が浮上している。
6.アベノミクスでは、財務省と距離を置き、財務官僚が敷いた日本凋落の道を断ち切ろうとしていた。これを阻止しようとして、様々な力が働き、内閣の意向を忖度したと疑われれるように文書書き換えが生じた。