「デトロイト」という映画が公開されている。車の映画ではない。
1.1967年のデトロイト暴動の際に起きた警官による黒人青年たちの虐殺事件を描いたビグロー監督の映画『デトロイト』。自動車産業の中心地で起きた大変な大暴動で、殆ど街が壊滅するぐらいまで焼き尽くされた。その大暴動と同時に起こった黒人少年3人が殺された虐殺事件がテーマだ。
2.自動車産業ができて、欧州の貧しい人たちが移民として入ってきた。英国系と違って、伊、希、波、洪、チェコなどカトリック系の人たちで、南部から来た黒人とは全く水と油なわけだ。だんだん貧富の差が出てきて、街の中心部には貧しい黒人だけが残り、白人たちは郊外に出てしまった。
3.中心部の治安を守っている警察官は98%がアイルランド系だ。今でもNYではそうだ。完全に差別的な意識で黒人市民たちを支配していた。67年に黒人の住民たちが大暴動を起こした。白人も黒人もその商店を破壊されないように、窓に「Soul Brother」って書いた。
4.拷問をしているのは全員警官だから「おまわりさーん」って頼る人がいないわけだ。地獄で怖い映画、拷問シーンが2時間のうち50分もある。いま問題になっている白人警官による黒人の射殺事件でビグロー監督は「私が若い頃にそういう事件があった」と思い出して、この映画を制作した。
5.2016年、アメリカ全土で300人以上の黒人が白人警官に殺されている。銃とかナイフを持っていた黒人はたった30%だ。いまアメリカで「Black Lives Matter(黒人の命だって大切にしてくれ)」と言って運動が起こっている。デトロイトの事件は陪審員が全員白人だった。
6.黒人はアメリカ全体の人口の12%だから、陪審員も白人が圧倒的に多くなる。アジアとかメキシコ系も入れても4割だから、多数決だと白人が勝っ。全く武器を持っていない人を殺したりしていても、ナイフを持たせたりとか銃を持たせたりして、偽装をしている。
7.世界に共通する虐殺のシステム。ユダヤ人虐殺も「あいつらが俺たちの国を乗っ取ろうとして企んでいるんだ」っていう風に勝手に思い込む。普段、差別をしているから「絶対に彼らは恨んでいるはずだ」って思う。https://www.youtube.com/watch?v=0628e5thgao …