ある女子大教授の つぶやき

日常の生活で気がついたことを随想風に綴ってみたいと思います。
8月が始まる 財政赤字1000兆円の真実
1.ノーベル経済学賞のコロンビア大学スティグリッツ教授が来日し、経済財政諮問会議で、財政政策による構造改革を進めるべきだと提言した。教授は政府や日銀が保有する国債を「無効化」することで、政府の債務は瞬時に減少し、不安はいくらか和らぐと発言した。

2.教授の主張は、日本の財政の真実を明らかにするものだが、具体的に意味する内容には、様々な前提がある。「統合政府」とよばれる考え方を押さえておきたい。これは財政や金融問題について、政府と中央銀行を一体のものとして考えることを指す。日銀は実質的に政府の子会社といえるからだ。

3.民間企業でグループ会社の資産も連結決算で考えるのと同じように、政府と日銀の資産は連結してみることができ「中央銀行の独立性」とは矛盾しない。中銀の独立性とは、政府の経済政策目標の範囲内でオペレーションを任されているからで、グループ企業が独立して営業する権利を持っているのと同じ。

4.この統合政府の財政状況を示すバランスシートでは、右側の「負債」はすなわち国債残高を示す。重要なのは左側の「資産」であるが、統合政府の場合、この資産に日銀が保有する国債が含まれるのだ。右側の国債残高は1000兆円、左側の日銀保有国債は400兆円、これより国債残高は瞬時に減少する。

5.「無効化」とは「相殺」の意味で、国全体の国債と、日銀保有の国債は「相殺」できるからだ。 日銀の保有国債残高に、政府は利払いをするが、それは国庫納付金として政府に戻ってくるので、利払いのぶん国債が増えることにはならない。「国の借金が1000兆円ある」という主張を鵜呑みにするなと教授は強調する。

6.政府の連結資産に含められるのは日銀だけではない。「天下り法人」も含めると600兆円の資産があるから、連結してBS上で「相殺」すると、実質的な国債残高はほぼゼロとなる。財務状況は財務省が言うほど悪くない。教授は財政再建のために消費税増税を急ぐなとも主張し、財務省が描く増税策に釘を刺した。

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